導入事例

RFIDタグ導入で棚卸を52倍効率化！テーブルクロスレンタルの業務改善（株式会社ワールドサービス様）

棚卸業務効率52倍、出荷ミスゼロを実現

株式会社ワールドサービス様（本社：大阪府泉佐野市）は、RFIDタグを活用した商品管理システムの導入により、何層も積み重ねられた大量のテーブルクロスなどのタグを一括読取することで、棚卸業務を約52倍効率化することに成功しました。

本システムは、富士通フロンテック株式会社（本社：東京都稲城市）が薄く重なった状態でも一括読み取りが可能なUHF帯RFIDソフトリネンタグとロングレンジリーダライタを提供し、ソレキア株式会社（本社：東京都大田区）がシステム開発し実現しました。

ワールドサービス様は、テーブルクロスなどのパーティー用品を、ホテル・レストラン等にレンタルすることを主業務としています。お客様から注文のあったレンタル品を納入し、ご利用いただいた後に回収して、クリーニングを行い保管するというサイクルの業務を行っておりますが、従来の在庫管理や回収管理、出荷処理等は、すべて手作業による管理であったため、以下の課題がありました。

課題

①デザインや色が類似したテーブルクロスが混在しているため、折りたたまれた状態では個々の商品を正確に識別することが難しく、誤出荷を防ぐため厳重な検品作業が必要となり、業務が複雑化していた

②お客様からの注文に対して、常に流動しているレンタル品で対応可能かの判断は、現場熟練者の経験値に頼っていた（特に、繁忙期にはクリーニングからの戻り品をそのまま当日発送するなど、レンタル品の在庫調整が必要）

③在庫管理を手書き資料で管理していたため、理論在庫と実在庫の数量が不一致となる場合があり、週一回の棚卸を実施し、多くの時間と人手を費やしていた

課題と対策

レンタル品の中でテーブルクロスは、お客様のご要望にあわせて色・大きさのバリエーションを取り揃えており、点数にして500アイテム40万枚と多数に及ぶため、管理が煩雑になっていました。

保管の状態も棚に薄く積み重ねており、手作業による棚卸（在庫確認）においては、正確性と確認時間に課題がありました。また、従来から利用されてきたHF帯RFIDタグは通信距離が数10cmと短く、大量に積み重なったテーブルクロス等の棚卸には不向きでした。

これらの課題に対して、重なった状態で一括読み取りができ、耐久性のあるUHF帯RFIDタグが必要であり、富士通フロンテック製の「UHF帯RFIDソフトリネンタグ」が最適と判断しました。また、業務システムの構築にあたっては、出荷検品・製品回収・クリーニング戻り品の入庫検品・棚卸を、現場でロングレンジリーダーライタを使い読み取る運用としました。

テーブルクロス管理システムの特長

① 薄く積み重なっても一括読み取りが可能な富士通フロンテック製
　「UHF帯RFIDソフトリネンタグ」を採用

一般のUHF帯RFIDタグは、読み取り距離を長くするために、周波数ごとに効率よく受信できるアンテナ形状を採用していますが、同種のアンテナ同士が重なり合うと干渉を起こすため、読み取り性能が低下してしまう欠点がありました。
富士通フロンテック製「UHF帯RFIDソフトリネンタグ」は、重なり合った時にも干渉を起こしにくい、独自のアンテナパターンを開発し、積み重なった状態でも一括読みを可能としています。さらに、クリーニングへの耐久性を備えています。

② リーダーライタ装置（ロングレンジリーダーライタ）を搭載したワゴンでデータ読み込み

ワゴンに高出力のロングレンジリーダライタ・アンテナ4枚・パソコン・バッテリーを搭載。移動しながら読み込みを行うことで、各棚に大量に保管されたレンタル品の一括読み取りが可能です。

導入効果

従来の運用では、10万枚のテーブルクロスの棚卸業務に7人で8時間（延べ56時間）の作業が必要でしたが、RFIDタグ適用により、1人で4.3時間に短縮しました（従来の13分の1）。
また、棚卸精度も、ほぼ100％の精度（3％改善）を実現しました。更に、システム化により、現品入出庫管理の精度も向上することで、毎週実施していた棚卸（56時間×4回＝224時間）が月1回となり、トータルの棚卸時間が52分の1に削減することができました。